この記事で解決できる困りごと
- 単純工程分析で工程の流れは見えたが、作業者のムダ動作が特定できない
- 忙しそうなのに成果が出ない理由が説明できない
- 歩行・待ち・持ち替えなどが多い気がするが、感覚論から抜け出せない
- 改善するとき、どの作業から手を付けるべきかわからない
- 作業の流れを記号で整理したいが、作業者工程分析のやり方がわからない
この記事でここを目指そう
- 作業者の動きを「作業/移動・運搬/手待ち/検査」などで整理し、現状を可視化できる
- ムダ動作・手待ち・歩行の多さに気づき、改善テーマにつなげられる
- 「なぜ忙しいのか」「どこで工数を使っているのか」を数字で説明できる
- 製品工程分析から一歩踏み込み、作業改善・標準化につなげる力がつく
「改善をやれ」と言われたけれど、
作業者の何を見ればいいのかわからない。
製造現場に配属されたばかりの方や、
初めてIE・改善活動に関わる方なら、
そんな悩みを感じたことがあるのではないでしょうか。
現場を見ていると、
- いつもバタバタしている
- 歩き回っている人が多い
- 忙しいのに生産性が上がらない
といった“違和感”はあるものの、
「どこが問題なのか?」と聞かれると、
うまく言葉や数字で説明できないことがほとんどです。
改善が進まない原因の多くは、
作業者がどんな動きを、どんな順番でしているのかを整理できていないこと。
そこで役に立つのが 作業者工程分析 です。
作業者工程分析は、
人の動きを「作業・運搬・検査・停滞」などに分けて整理し、
ムダな動作・手待ち・歩行を“見える化”するための分析手法です。
この記事では、
- 作業者工程分析とは何か
- どんな場面で使うのか
- どう見て、どう改善につなげるのか
を、現場でそのまま使える実務視点でわかりやすく解説します。
作業者工程分析とは?
作業者工程分析とは、
作業者1人の動きを時系列で整理し、工程記号を使って可視化する分析手法です。
現場では、作業者はずっと「作業」しているように見えますが、
実際にはその間に、
- 加工・組立などの作業をしている
- 部品や製品を運んでいる
- 次の作業を待っている
- 物を探している
といった動きを繰り返しています。
作業者工程分析では、こうした動きを
作業・検査・移動・手待ち
の4つに分類し、工程図記号を使って、
作業者工程分析図として時系列に整理します。
作業者の動きを細かく分解して可視化することで、
ムダや非効率な動作を見つけやすくなります。

作業者工程分析で「見える化」できること
作業者工程分析を行うと、次のようなことが明確になります。
- 作業者がどんな動作を、どんな順番で行っているか
- 実作業以外(歩行・待ち・探し物)がどれくらい多いか
- 工数を圧迫している原因がどこにあるか
普段の現場では見逃されがちな
「人のムダ」が、はっきりと見えるようになります。
作業者工程分析は、「作業」、「検査」、「移動」、「手待ち(遅れ)」の4つの系列を対象に、作業者の流れや状態を分析します。
対象が作業者なので、「手待ち」はありますが、「保管・貯蔵」記号はありません。
製品工程分析と同じく、以下の工程図記号を使って工程の順序を表す、「作業者工程分析図(フロー・プロセス・チャート)」を作成して、人の流れや状態を把握していきます。
作業者工程分析は「作業改善の出発点」
作業者工程分析の目的は、
いきなり改善案を出すことではありません。
- 今、作業者は何に時間を使っているのか
- どこで止まり、どこで動きすぎているのか
こうした現状を正しく把握することが最優先です。
現状が見えれば、
- 「この歩行はいらないのでは?」
- 「ここはまとめられそうだ」
と、改善のヒントは自然と浮かんできます。
作業者工程分析は、
作業改善・標準化・工数削減を
感覚ではなく事実で進めるための土台です。
※IEの全体像はこちら:
IE(インダストリアル・エンジニアリング)の全体像_IEとは何か?目的と役割をわかりやすく解説
※工程分析の全体像はこちら:
※詳細工程分析の全体像はこちら:
単純工程分析(オペレーション・プロセス・チャート)の使い方 考え方と進め方をやさしく解説
※製品工程分析はこちら:
詳細工程分析①|製品工程分析のやり方と改善に活かすコツを解説
なぜ作業者工程分析が必要なのか?
現場改善の基本は、
現状把握 → 問題・原因の発見 → 改善案の検討
です。
この最初の「現状把握」が曖昧なままでは、
どんな作業改善も的外れになってしまいます。
しかし実際の現場では、
- 忙しそうに動いている「気がする」
- 歩き回っているのが非効率「っぽい」
- 手待ちが多い「ように見える」
といった 感覚的な評価 で話が進んでしまうことが少なくありません。
感覚だけでは作業改善できない理由
たとえば、こんな会話に心当たりはないでしょうか。
「この工程、動きが多すぎない?」
「でも前からこんなもんですよ」
「忙しい割に進まないね」
「人が足りないんじゃない?」
感覚での議論は、
人によって見え方が違い、結論が出ません。
改善を進めるには、
作業者の動きを事実と数字で示す必要があります。
作業者工程分析で“現実”が見える
作業者工程分析を行い、
作業者の行為を工程記号で整理すると、次のようなことが明確になります。
| 現場での感覚 | 分析後に見える事実 |
|---|---|
| 忙しそうに動いている | 作業8回・運搬15回・停滞6回 → 運搬と待ちが多い |
| ずっと動いている気がする | 付加価値作業は全体の一部にすぎない |
| 手待ちが多そう | 停滞Dが工程途中に頻発している |
感覚での評価が、
工程の種類と回数という事実に変わる。
これが、作業者工程分析の最大の価値です。
改善の「当たり」をつけるために
作業者工程分析を行わずに改善を始めると、
- 目についた動作だけを直してしまう
- 本質的でない改善に時間を使ってしまう
- 改善したのに楽にならない
といった事態が起こりがちです。
作業者工程分析は、
- どこでムダな動きが多いのか
- どの行為が付加価値を生んでいないのか
を明確にし、
どこから手を付けると効果が出やすいか
改善の当たりをつけるための地図になります。
作業者工程分析から動作分析へつなぐ
作業者工程分析は、
作業分析・動作分析へ進むための重要な前段階です。
作業者工程分析:作業・運搬・停滞など行為の全体像を把握
動作分析:一つ一つの作業のやり方を改善する
いきなり細かい動作を見るのではなく、
まず全体の構成を押さえることで、
効率的に改善を進めることができます。
製品工程分析との違い
| 分析手法 | 視点 | 主な改善領域 |
|---|---|---|
| 製品工程分析 | モノの流れ | レイアウト、物流、仕掛削減 |
| 作業者工程分析 | 人の動き | 工数削減、動作改善、標準化 |
製品工程分析で「モノのムダ」を見つけ、
作業者工程分析で「人のムダ」を潰す。
この組み合わせが非常に強力です。
作業者工程分析で使う工程図記号
工程図記号
覚えるのはとても簡単。
フロー・プロセス・チャートで使う基本記号は以下の6つです。
単純工程分析(○と□だけ)と比べて、より多くのムダを見える化できます。
対象が作業者なので、「手待ち」はありますが、「保管・貯蔵」記号はありません。

それぞれの記号は、製品について以下を表しています。
- 作業:業者が付加価値または必要な補助作業を行っている工程
- 検査:作業者が良否や状態を確認している工程
- 移動/運搬:作業者が移動、モノや工具を運搬している工程
- 手待ち:作業者がその場で止まっている状態
工程図記号を見るときの基本視点
工程図記号は、
種類・回数・並び順を見ることで意味を持ちます。
- 作業より移動や手待ちが多くないか
- 検査が必要以上に挟まれていないか
こうした視点で工程図を見ることで、
改善すべきポイントが自然と浮かび上がります。
特に【⇒ 移動】【D 手待ち】は改善対象の宝庫です。
作業者工程分析の活用場面
作業者工程分析は、
現場を 「人の動き・行為の流れ」 という視点で捉え直し、
作業者のムダ動作・手待ち・非効率を可視化するための分析手法です。
特に、以下に挙げるような
「忙しそうだが、何が原因かまだハッキリしていない段階」
で力を発揮します。
単純工程分析を行い、作業の流れが見えてきたとき
単純工程分析で
作業と検査の工程構成を整理すると、
- 作業が多そうだ
- 検査が頻繁に挟まっている
といった違和感に気づきます。
作業者工程分析は、そこから一歩踏み込み、
- 作業者が実際に何をしているか
- 作業以外(運搬・停滞・貯蔵)がどれくらいあるか
を工程記号で整理し、
「人の動きのどこにムダが集中しているか」 を明確にします。
歩き回っていて忙しそうに見えるとき
「ずっと動いている」
「作業場を行ったり来たりしている」
そんな感覚がある場合、
作業者工程分析が有効です。
運搬(⇒)を工程図上で可視化することで、
- 移動回数
- 移動の繰り返し
- 不要な往復
が一目で分かります。
その結果、
- 部品配置の見直し
- 作業台レイアウト改善
- 工程集約
といった改善を、
感覚ではなく事実を根拠に検討できるようになります。
手待ち・立ち止まりが多いと感じるとき
作業者が、
- 作業の合間に止まっている
- 次の工程を待っている
といった場面が多い場合も、
作業者工程分析が効果を発揮します。
手待ち(D)がどこで、どの程度発生しているかを整理することで、
- なぜ待ちが発生しているのか
- どの工程がボトルネックか
を構造的に把握できます。
作業と作業の切り替わりが多いとき
作業が細かく分かれすぎている現場では、
- 集中しづらい
- 作業効率が上がりにくい
といった問題が起こりがちです。
作業者工程分析を行うと、
作業→運搬→作業→停滞
といった切り替わりの多さが
工程図としてはっきり表れます。
これにより、
- 作業のまとめ直し
- 役割分担の見直し
といった 作業設計レベルの改善テーマ が見えてきます。
改善の優先順位を整理したいとき、関係者を巻き込みたいとき
作業改善テーマが多く、
「どこから手を付けるべきかわからない」
という状況でも、
作業者工程分析は力を発揮します。
工程記号で整理された分析図と集計結果は、
- 改善の優先順位付け
- チームメンバー、他部署への説明
- 現場との合意形成
に非常に有効です。
「忙しい」「大変そう」といった感覚ではなく、
人の行為と回数という事実で話ができるため、
改善活動を前に進めやすくなります。
まとめ
作業者工程分析が真価を発揮するのは、
「人が忙しい理由を、まだ誰も説明できていないとき」
です。
人の動きを分解し、
ムダを見える形にすることで、
初めて“効く改善”にたどり着くことができます。
まずは現状を数値と流れで目に見える形にし、改善対象を明確化することが目的です。
| 分析対象 | 視点 | 効果が出やすい改善領域 |
|---|---|---|
| 製品工程分析 | モノの流れ | レイアウト、運搬合理化、仕掛削減、リードタイム短縮、生産ライン改善、工程設計 |
| 作業者工程分析 | 人の動き | 工数削減、標準化、動作改善、ラインバランス調整 |
- 単純工程分析:作業・検査の工程構成を見る
- 作業者工程分析:人の行為の流れを見る
- 動作分析:一つ一つの動作を改善する
作業者工程分析の手順
手順そのものは単純工程分析と類似しますが、
観察対象が「モノ」ではなく「人の動き」になるため、
作業・移動・待ちなど、より細かい観察が必要になります。
作業者工程分析の手順とポイントを説明していきます。
STEP1:目的を決める
STEP2:対象作業者・対象範囲を決める
STEP3:観測方法を決める
STEP4:観測スケジュールを決める
STEP5:観測準備
STEP6:現場観測&記録
STEP7:結果まとめ・分析
STEP8:考察・改善案の検討
以下、各ステップの要点を整理します。
STEP1:目的を決める
まず最初に、「なぜ作業者工程分析を行うのか?」を明確にします。
目的が曖昧なまま進めると、
- どの動作を重点的に見るべきか分からない
- データは取ったが改善につながらない
といった状態になりやすくなります。
例
- 作業時間(工数)を削減したい
- ムダな動作・移動・手待ちを洗い出したい
- 標準作業を作成・見直したい
- ラインバランス調整の根拠データを取りたい
STEP2:対象範囲を決める
次に、「誰の」「どの作業を」「どこからどこまで」分析するかを決めます。
以下のような作業を対象にすると効果が出やすくなります。
- 工数が長い、ばらつきが大きい作業
- 忙しそうなのに成果が出ていない工程
- 不良・やり直しが多い作業
- 標準化ができていない作業
作業者工程分析は作業者を対象にするので、同じ作業内容でも、
対象とする作業者の熟練度によって、作業ペースが異なってきます。
そこで、作業者ごとにバラつく作業ペースの時間値を、正常作業ペースの時間値に修正する作業が必要になります。
また、この段階で、以下を把握しておくと、
分析スケジュールの検討や、結果まとめの際に役立ちます。
- 作業サイクルタイム
- 作業内容のボリューム感
- 使用設備・治具の有無
STEP3:観測方法を決める
「誰が、どのような手段で、作業者の動きを観測するか」を決めます。
- 現場観察
- 動画解析
- 作業分析アプリ活用
などを使い分けます。
動作が細かい作業や、
短時間の繰り返し作業ほど、
動画解析の方が見落としを防ぎやすくなります。
STEP4:スケジュール調整
「いつから、いつまで、観測を実施するか」を決めます。
以下を確認して関係部門へ協力を依頼しましょう。
- 対象作業が安定して行われている時間帯
- 生産計画・段取り替えの有無
- 生産計画などのスケジュール
- 観測実施時期
STEP5:観測の準備
作業者工程分析をスムーズに進めるためには、事前準備がとても重要です。
観測前に以下の3点を準備しましょう。
- 準備1:作業者工程分析図のフォーマットを用意
- 準備2:記入ルールを作成し、関係者と共有
- 準備3:観測内容・スケジュールを関係部署とすり合わせ
3つの準備について、それぞれのポイントを解説します。
準備1:作業者工程分析図の記入フォーマットを作成する
作業者工程分析図のフォーマットは、
必ずしも決まった様式である必要はありません。
しかし、事前にフォーマットを作成しておくことで、
- 誰が観測しても、同じ項目を調査できる
- 観測結果の抜け漏れを防げる
- 観測後の情報共有やレビューがしやすくなる
といったメリットがあります。
特に、複数人で観測を行う場合や、
後から別のメンバーと結果を検討する場合は、
共通フォーマットの有無が理解度に大きく影響します。
調査後に「これは何のデータ?」「どの条件で観測したの?」といった齟齬が出ないよう、
以下の項目はフォーマットにあらかじめ記載しておくことをおすすめします。
<記入フォーマットに記載しておきたい項目>
- 調査目的/概要
- 作成年月日
- 調査日/調査期間
- 作成者/承認者
- 対象製品名
- 対象工程名
- 対象作業者名
- 製品番号
- 製造番号
- 生産量
- 作業内容
- 工程
- 動作区分(作業・移動・手待ち・検査)
- 所要時間
- 移動距離
- 作業場所
- 仕様設備/治具
- 環境
- 規格/基準
- 問題点
- 観測中の気づきコメントなどの特記事項
準備2:記入ルールを決めて、事前に周知する
観測は、複数のメンバーで行うケースが多い作業です。
その際、観測者ごとに記載方法や表現がバラバラだと、後でデータを見返したときに混乱の原因になります。
そこで、観測を始める前に、記入ルールを関係者間ですり合わせておくことが重要です。
<ルールの例>
- 観測を中断した場合の表記方法を統一する
- 異常・イレギュラー時の記載ルールを決めておく
- ○歩以内の作業者移動は、加工に含める
といったように、迷いそうなポイントを事前に決めておくことで、観測の質が安定します。
準備3:観測スケジュール・観測内容を事前にすり合わせる
STEP4では、おおまかな観測スケジュールをもとに、関係部門へ協力依頼を行っています。
STEP5では一歩踏み込み、すべての関係者と以下の内容を改めてすり合わせましょう。
- 観測の目的
- 観測スケジュール(日時・期間)
- 観測内容(何を・どこまで観るのか)
事前に認識を合わせておくことで、
- 現場の作業を不必要に止めてしまう
- 想定していなかった作業が発生する
といったトラブルを防ぐことができます。
このように、STEP5は「分析そのもの」ではなく、正しく・効率よく観測するための土台づくりのステップです。
ここを丁寧に行うことで、後工程の分析・改善が格段に進めやすくなります。
STEP6:現場観測 & 記録
STEP3で決めた方法で実際の製品の流れを観測して、作業者工程分析図にまとめていきます。
作業者工程分析では、対象とする工程は以下の系列です。
- 作業
- 検査
- 移動
- 手待ち
この4つの系列を、工程図記号・複合記号・補助図記号を使って表現します。
これらの記号は、日本工業規格(JIS)で定められているものを使うのが一般的です。
現場や資料で共通認識を持ちやすいため、特別な理由がなければJIS記号を使うことをおすすめします。
ここでは、
- 工程図記号の説明
- 工程分析図の具体的な書き方
を順番に解説していきます。
作業者工程分析で使う「工程図記号」
観測結果は以下の「工程図記号」を使って表現するのが基本です(JIS Z 8206)。
- ○:作業
- □:数量検査
- ◇:品質検査
- ○(小さい丸)or ⇨:移動
- D :滞留
これらを発生順に並べて整理します。
これらの記号は、日本工業規格(JIS)で定められているものを使うのが一般的です。
現場や資料で共通認識を持ちやすいため、特別な理由がなければJIS記号を使うことをおすすめします。
○工程図記号
○複合記号

作業者工程分析図の書き方【2手順】
作業者工程分析図の作成は、次の2ステップで進めます。
流れ自体はシンプルなので、手順に沿って観測しながら記入していきましょう。
- 手順1:(観測前)記入できる項目をフォーマットに記載
- 手順2:(観測時)作業者の流れと必要情報を作業者工程分析図(フォーマット)に記入する
以下で、それぞれ詳しく説明します。
手順1:(観測前)記入できる項目をフォーマットに記載する
まずは、観測前に分かっている情報を記入フォーマットに書き込みます。
ここで記載する内容は、後から結果を見返したり、メンバーと共有したりする際に重要になります。
<事前に記入しておく項目>
- 調査目的/概要
- 作成年月日
- 調査日/調査期間
- 作成者/承認者
- 対象製品名
- 対象工程名
- 対象作業者
- 製品番号
- 製造番号
- 生産量
- その他の特記事項
「あとで分かるからいいや」と思わず、最初にきちんと埋めておくのがポイントです。
手順2:(観測時)作業者の流れと必要情報を作業者工程分析図(フォーマット)に記入する
次に、実際の現場で製品の流れを目で追いながら、
作業・検査が発生した順に工程図記号を書いていきます。
記入する主な項目
- 作業内容
- 工程
- 数量
- 時間
- 移動距離
- 手段
- 作業場所
- 環境
- 規格/基準
- 問題点
- 気づき・コメント
STEP7:結果まとめ・分析
作業者工程分析図の記入を完了したら、各項目のまとめです。
以下の2点をまとめましょう。
- 動作区分ごとの回数・時間・距離
- 観測中に気づいた点や改善につながる情報
ここでまとめる目的は、観測結果から改善案を考え改善を進めるため、です。
数値を記述するだけでなく、観測中に得た情報は漏らさずに残しておきましょう。
例:
- 歩行・移動が想像以上に多い
- 工具探しの時間が長い
- 手待ちが定期的に発生している
- 持ち替えや歩行が多い
- 手待ちが継続発生
- 不必要な検査
STEP8:考察・改善案の検討改善案検討(ECRS)
作業者工程分析図の情報をもとに考察し、工程に対する改善案を検討します。
改善案検討の際のポイントをまとめます。
- 作業(○)は付加価値をつける工程なので、品質の維持向上、生産性の向上を継続的に実施
- 移動(⇒)、手待ち(D)は付加価値をつける工程ではないので、改善ポイント
- 同じ記号でも発生している原因が異なるため、記号が現れている原因を把握
※生産形態の違いによる貯臓、職場間の移動による貯蔵、管理部門からの情報待ちなど
工程に対するそれぞれの原因が明確になったら、これらに対する考察や改善案を検討します。
その際、「ECRS」の考え方を活用することが有効です。
- なくせないか(Eliminate)
- まとめられないか(Combine)
- 順番を変えられないか(Rearrange)
- 簡単にできないか(Simplify)
※ECRSはこちら:
ECRSとは?工場改善でまず使うべき4つの視点【具体例つき】
作業者工程分析が効果を発揮する場面
作業者工程分析は、以下のような場面で効果を発揮します。
- 作業時間(工数)のムダを洗い出したいとき
- 動作・移動・手待ちが多い原因を特定したいとき
- 作業改善・工数削減のテーマを見つけたいとき
- ラインバランスや人員配置を見直したいとき
- 標準作業・作業手順書を整備、見直したいとき
- 作業ミス・やり直しの原因を探りたいとき
- 若手教育・現場説明に使いたいとき
作業者工程分析が最も力を発揮するのは、
「人がなぜ忙しいのか、まだ分からない段階」
です。
忙しそう
動きすぎている気がする
改善したいが、どこから手を付ければいいか分からない
そんなときこそ、まず作業者工程分析を行うことで、
作業改善の「当たり」をつけることができます。