生産ライン設計

生産ライン設計とは?流れる仕組みを作るための考え方と手順を解説

この記事で解決できる困りごと

  • 生産ライン設計とは何をするのか分からない
  • 工程設計と生産ライン設計の違いが分からない
  • なぜ生産ラインが流れないのか分からない
  • 工程分割や人員配置を感覚で決めている
  • 生産ライン設計をどの順番で進めればよいか分からない


この記事でここを目指そう

  • 生産ライン設計とは何か説明できる
  • 生産ライン設計の全体像を理解している
  • 工程設計とライン構成設計の違いを理解している
  • タクトタイムから生産ラインを設計する流れを理解している
  • 感覚ではなく構造で生産ラインを考えられるようになる


生産ライン設計とは
 「製品を安定して流す仕組みを作ること」
です。

単に、

  • 設備を並べる
  • 人を配置する
  • 工程を分ける

ことではありません。

実際には、

  • 需要
  • タクトタイム
  • 工程設計
  • 工程能力
  • ラインバランス
  • 物流
  • 人員配置

などを組み合わせ、
 「流れる生産ライン」を成立させる
ことが目的になります。

しかし現場では、

  • とりあえず人を増やす
  • 感覚で工程を分ける
  • ボトルネックを放置する

ケースも少なくありません。

その結果、

  • 生産が間に合わない
  • 工程間仕掛りが増える
  • 生産ライン停止が発生する
  • 人によって生産性が変わる

といった問題が発生します。

生産ライン設計は本来、
 需要から逆算して構造で設計する
ものです。

この記事では、

  • 生産ライン設計とは何か
  • なぜ重要なのか
  • 生産ライン設計の全体像
  • 基本的な進め方
  • よくある失敗

を、生産技術初心者にも分かりやすく解説します。


生産ライン設計とは

生産ラインとは

生産ラインとは、
 作業・設備・人・物流を、流れとして繋いだもの
です。

生産ライン設計とは

生産ライン設計とは、
 作業・設備・人・物流を、流れとして繋ぎ
 必要な数量を
 必要なタイミングで
 安定して生産できる
 仕組みを作ること
です。

つまり、
 「どう流すか」
を設計するのが生産ライン設計です。

生産ライン設計で決まるもの

生産ライン設計では、

  • 工程構成
  • 工程順序
  • 人員配置
  • レイアウト
  • 生産能力
  • ラインバランス
  • 物流動線

などが決まります。

つまり、
 生産ライン全体の構造
を設計しています。


なぜ生産ライン設計が重要なのか

生産ライン設計が重要な理由は、
 生産ライン設計で生産性が決まる
ためです。

例えば、

  • ボトルネックがある
  • 工程能力が不足している
  • 動線が悪い
  • 作業負荷が偏っている

の状態では、
 改善しても限界がある
ためです。

つまり、
 改善以前に 設計が重要
ということです。


生産ライン設計の手順

生産ライン設計は次の流れで進めます。

STEP1 需要確認

STEP2 タクトタイム算出:基準を設定

STEP3 工程設計:作り方を設計
↓ 3-1)生産方式
↓ 3-2)工程順序
↓ 3-3)作業設計
↓ 3-4)作業方法・設備
↓ 3-5)工程分割
↓ 3-6)工程能力設計
↓ 3-7)材料の流し方
↓ 3-8)工程成立確認

STEP4 生産ライン構成設計:流れを設計
↓ 4-1)レイアウト設計
↓ 4-2)人員配置
↓ 4-3)ラインバランス
↓ 4-4)物流設計
↓ 4-5)標準作業

STEP5 生産ライン成立性確認


なぜこの順番なのか

生産ライン設計では、
 前段で決めた条件を基準にして、次を設計する
ためです。

例えば、

需要が決まる

タクトタイムが決まる

必要工程数が決まる

人員配置が決まる

生産ライン構成が決まる

という流れで、
 前段の設計条件を使って、次を決める
という依存関係があります。

そのため、

STEP1 需要確認

STEP2 タクトタイム算出

STEP3 工程設計:作り方を設計

STEP4 生産ライン構成設計:流れを設計

STEP5 生産ライン成立性確認

の順番で設計します。


生産ライン設計の手順詳細

生産ライン設計の各STEPは、次の流れで進めます。

STEP1 需要確認

まず、

  • 必要生産数
  • 生産計画
  • 稼働時間
  • 品種構成

などを整理します。

ここで、
 「何を・どれだけ・いつまでに」
作るかを決めます。

なぜ最初に需要を見るのか

需要によって、

  • 必要能力
  • 必要人員
  • 生産ライン規模

が決まるためです。

つまり、
 需要が生産ライン設計の出発点
になります。

STEP2 タクトタイム算出:基準設定

次に、
 必要な生産ペース
を決めます。

これが、
 タクトタイム
です。

タクトタイム = 稼働時間 ÷ 必要生産数

なぜタクトタイムが重要なのか

タクトタイムとは、
 ライン設計の基準
になるためです。

例えば、

  • 工程数
  • 人員数
  • 工程能力
  • ラインバランス

などは、タクトタイムを基準に決まります。

つまり、
 タクトタイム = ライン設計のものさし
です。

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※タクトタイムとは:

STEP3 工程設計:作り方を設計

ここでは、
 『どう作るか』
を設計します。

工程設計では、

  • どんな構造で作るか
  • どんな順番で作るか
  • どこで工程を分けるか

などを決めます。

つまり、
 工程単位を成立させる
設計です。

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※工程設計とは:

※工程設計事例:

3-1) 生産方式決定

次に、

  • ライン生産
  • セル生産
  • U字ライン
  • 個別生産

など、
 『どんな生産構造にするか』
を決めます。

ここで、生産ライン全体の方向性が決まります。

なぜ最初に生産方式を決めるのか

生産方式によって、

  • 工程分割
  • 人員配置
  • 作業方法
  • ライン構成

の考え方が変わるためです。

つまり、
 生産方式 = 工程設計の前提条件
になります。

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※生産方式とは:

3-2) 工程順序

ここでは、
 『作業の前後関係』
を整理します。

例えば、

部品取り

位置決め

締結

検査

のように、作業の流れを決めます。

3-3) 作業設計

各工程で、
 『何をするか』
を整理します。

ここでは、

  • 作業内容
  • 作業単位
  • 標準時間

などを決めます。

3-4) 作業方法・設備

次に、
 『どう作業するか』
を決めます。

ここでは、

  • 治具
  • 工具
  • 設備
  • 自動化

などを検討します。

3-5) 工程分割

作業を、
 『どこで区切るか』
を決めます。

重要なのは、
 『各工程をタクトタイム以内』
にすることです。

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※工程分割とは:

3-6) 工程能力設計

各工程が、
 『必要能力を満たすか』
を確認します。

ここでは、

  • サイクルタイム
  • ボトルネック
  • 能力不足

などを確認します。

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※工程能力とは:

3-7) 材料の流し方

材料・部品を、
 『どう供給するか』
を考えます。

例えば、

  • 台車供給
  • コンベア
  • キッティング

などです。

3-8) 工程成立確認

最後に、
 『各工程が成立しているか』
を確認します。

ここでは、
 『サイクルタイム ≦ タクトタイム』
になっているかを確認します。

STEP4 ライン構成設計:流し方を設計

ここでは、
 『どう流すか』
を設計します。

工程単体ではなく、ライン全体を成立させる
設計です。

4-1) レイアウト設計

設備・人・物流を、
 『どう配置するか』
を決めます。

ここでは、

  • 動線
  • 搬送距離
  • 作業性

などを考慮します。

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※レイアウトとは:

4-2) 人員配置

必要工数から、

  • 何人必要か
  • どこに配置するか

を決めます。

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※人員配置:

4-3) ラインバランス

ここでは、
 『各工程の時間を揃える』
を進めます。

もし、

  • 80秒
  • 40秒
  • 30秒

のように差が大きいと、
 『ボトルネック』
が発生します。

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※ラインバランスとは:

4-4) 物流設計

部品・完成品を、
 『どう運ぶか』
を設計します。

ここでは、

  • 搬送方法
  • 供給タイミング
  • 在庫置場

などを決めます。

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※物流設計:

4-5) 標準作業

誰が作業しても、
 『同じ品質・同じ時間』
で作業できるようにします。

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※標準作業:

STEP5 ライン成立性確認

最後に、
 『ライン全体として流れるか』
を確認します。

ここでは、

  • ボトルネック
  • 工程間待ち
  • 人員負荷
  • 在庫滞留

などを確認します。

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※生産ライン成立確認:


生産ライン設計で重要な考え方

① 感覚で決めない

生産ライン設計は、
 『数値で設計する』
ことが重要です。

例えば、

  • タクトタイム
  • サイクルタイム
  • 工程能力

などを基準にします。

② ボトルネックから考える

ライン全体の速度は、
 『最も遅い工程』
で決まります。

つまり、
 『ボトルネック中心』
で考える必要があります。

③ 改善より設計

重要なのは、
『後から改善する』
ではなく、
 『最初から流れる構造を作る』
ことです。


生産ライン設計の具体例(概要)

例えば、

工程 時間
工程① 70秒
工程② 80秒
工程③ 40秒

タクトタイムが60秒の場合、
工程①・②が未成立
になります。

そのため、

  • 工程分割
  • 作業改善
  • ラインバランス調整

を行い、
全工程を60秒以内
に調整します。

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※工程設計事例:


よくある失敗

① タクトタイムを決めていない

→ 必要能力が分からない

② 感覚で工程分割する

→ ボトルネック発生

③ 改善前提で設計する

→ 根本問題が残る

④ ラインバランスを見ていない

→ 手待ち・滞留発生

⑤ レイアウトを最後に考えていない

→ 動線悪化


生産ライン設計は見える化する

生産ライン設計では、
『見える化』
が重要です。

実務では、

  • 山積み表
  • ラインバランス表
  • レイアウト図
  • 工程一覧

などを使います。

すると、

  • ボトルネック
  • 工程負荷
  • 人員過不足

が見えやすくなります。


まとめ

・生産ライン設計とは、
製品を流す仕組みを作ること

・生産ライン設計で重要なのは、
需要から逆算して設計すること

・生産ライン設計は、
 需要確認 → タクトタイム算出 → 工程設計 → 生産ライン構成設計 → 生産ライン成立確認
の流れで考える

・生産ライン設計は、
 感覚ではなく 構造で設計することが重要

・生産ライン設計を正しく理解すると、
生産が間に合う
ボトルネックが減る
人員配置に根拠が持てる
流れる生産ラインを作れる


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※工程設計とは:

※ラインバランスとは:

※工程設計事例:

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