工程設計

工程能力とは|タクトタイムとの関係と見方をわかりやすく解説

この記事で解決できる困りごと

  • 工程能力とは何か分からない
  • 工程能力をどう判断すればよいか分からない
  • タクトタイムとの関係が分からない
  • なぜ生産が間に合わないのか分からない
  • 工程能力を現場改善にどう使うか分からない


この記事でここを目指そう

  • 工程能力とは何か説明できる
  • 工程能力とサイクルタイムの関係を理解している
  • 工程能力とタクトタイムの関係を説明できる
  • 工程能力の判断手順を理解している
  • 工程能力を工程設計・改善に使えるようになる


生産ライン設計において、非常に重要なのが「工程能力」です。
工程能力は単なる数値ではなく、

  • 生産が間に合うか
  • ラインが成立するか
  • ボトルネックがどこか
  • 人員が足りているか

など、生産ライン全体を判断する基準になります。
つまり、工程能力 = 工程の実力 です。

しかし現場では、

  • 感覚で人員を決める
  • 設備能力をなんとなく判断する
  • 生産が間に合わない原因が分からない

といったケースも少なくありません。

その結果、

  • ボトルネック発生
  • ライン停止
  • 生産不足
  • 在庫滞留

が発生します。

その原因はシンプルで、工程能力を正しく見ていないからです。

この記事では、

  • 工程能力とは何か
  • なぜ重要なのか
  • タクトタイムとの関係
  • 工程能力の見方と使い方
  • 工程能力を使った改善

を、生産ライン設計全体との関係を含めて解説します。


工程能力とは

工程能力とは、
 その工程がどれだけ生産できるか
のことです。

簡単に言うと、
 工程の処理できる力
です。

例えば

  • 1個作るのに何秒かかるか
  • 1時間で何個作れるか

などで表します。

つまり、
 工程能力 = 工程の実際の生産スピード
になります。

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※タクトタイムとは:

※タクトタイムとサイクルタイムの違い:


なぜ工程能力が重要なのか

工程能力が重要な理由は、
 工程能力で ラインが成立するか決まる
からです。

もし工程能力が不足すると、

  • 生産が間に合わない
  • 在庫が滞留する
  • ラインが止まる
  • ボトルネックになる

といった問題が発生します。

つまり、
 工程能力 = ライン成立のカギ
になります。

例えば

タクトタイム60秒に対して、

工程 サイクルタイム
工程1 50秒
工程2 70秒
工程3 60秒

の場合、工程Bが能力不足 になります。

その結果、

  • 生産が間に合わない
  • 工程Bがボトルネックになる

状態になります。

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※ボトルネックとは:

※ラインバランスとは:


工程能力とサイクルタイムの関係

工程能力は、サイクルタイムで判断します。

つまり、
 工程能力 = サイクルタイム
です。

サイクルタイムとは

サイクルタイムとは、1個作るのに実際にかかる時間
です。

つまり、

  • サイクルタイムが短い
    → 工程能力が高い
  • サイクルタイムが長い
    → 工程能力が低い

という関係になります。

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※サイクルタイムとは:


工程能力とタクトタイムの関係

ここがとても大事です。
工程能力は単体では意味がありません。
重要なのは、
 工程能力(サイクルタイム)とタクトタイムを比較すること
です。

タクトタイムとは

タクトタイムとは、
 「顧客の需要を満たすために必要な、製品排出の間隔」
のことです。

簡単に言うと、
 どれくらいの間隔でお客様が製品を引いていくか
 どれくらいの間隔で製品を出していく必要があるか
を表す時間です。

つまり、
 需要(必要生産量)で決まる時間
です。

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※タクトタイムとは:


タクトタイムとサイクルタイムの役割

項目 意味
タクトタイム 必要なペース(需要基準)
サイクルタイム 実際の能力(工程能力)

つまり、
 タクトタイム(基準)vs サイクルタイム(工程能力)
を比較します。


判断基準

工程成立の条件は、
 タクトタイム(基準)≧ サイクルタイム(工程能力)
です。

OK(成立)

サイクルタイム ≦ タクトタイム
つまり、
 生産が間に合う状態
です。

NG(未成立)

サイクルタイム > タクトタイム
の場合、能力不足になります。

つまり、
 生産が間に合わない(必要生産量を満たせない)状態
です。


工程能力の判断手順

工程能力は、次の流れで確認します。

① サイクルタイムを測る
 ↓
② タクトタイムと比較する
 ↓
③ OK / NG を判断する


具体例

① サイクルタイム測定

工程 サイクルタイム
工程1 50秒
工程2 70秒
工程3 60秒

② タクトタイムと比較

タクトタイム:60秒

  • 工程A:サイクルタイム 50秒 < タクトタイム 60秒
  • 工程B:サイクルタイム 70秒 > タクトタイム 60秒
  • 工程C:サイクルタイム 60秒 = タクトタイム 60秒

③ 判断

工程A

サイクルタイム 50秒 < タクトタイム:60秒
→ OK(生産が間に合う)

工程B

サイクルタイム 70秒 > タクトタイム:60秒
→ NG(生産が間に合わない)

工程C

サイクルタイム 60秒 = タクトタイム:60秒
→ OK(ぴったり)

つまり、工程Bがボトルネック になります。

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※ボトルネックとは:


工程能力で決まるもの

工程能力によって、次のようなものが決まります。

  • ライン成立
  • 生産能力
  • 人員配置
  • 工程分割
  • ボトルネック
  • ラインバランス

つまり、
工程能力は 生産ライン設計の中心指標
になります。


工程能力の使い方

工程能力は測るだけでは意味がありません。
重要なのは、”工程設計や改善の判断に使うこと” です。

ポイントは
『分ける・見つける・揃える』
です。

① 分ける(工程分割)

工程能力を見ながら、

  • 工程分割
  • 工程統合

を行います。

考え方

工程分割をする時は、
 工程能力(サイクルタイム)≦ タクトタイム
と、工程能力(サイクルタイム)がタクトタイムに収まるように分けます。

使い方

  • 1工程のサイクルタイムが長い → 工程を分割する
  • 1工程のサイクルタイムが短すぎる → 工程を統合する

工程 サイクルタイム
工程1 50秒
工程2 70秒
工程3 60秒

の場合、工程Bは分割候補 になります。

タクトタイム:60秒
工程1:50秒(< 60秒)
工程2:70秒(> 60秒) ← 工程分割が必要
工程3:60秒(= 60秒)
➡ タクトタイムに収まる単位に調整する。

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※工程分割とは:

② 見つける(ボトルネック特定)

工程能力を比較すると、一番遅い工程が見えます。
これが、ボトルネックです。
工程能力を比較することで、遅れている工程(ボトルネック)を特定できます。

考え方

比較した工程の中で、
 工程能力(サイクルタイム)が一番長い工程 = ボトルネック
です。

使い方

  • 各工程のサイクルタイムを並べる
  • サイクルタイムが一番長い工程を確認する

工程1:50秒
工程2:70秒 ← ボトルネック
工程3:60秒
➡ まずはボトルネックから改善

③ 揃える(ラインバランス)

工程能力のバラつきを減らし、各工程を近づけることで、
流れるラインになります。

工程能力をもとに、工程ごとのサイクルタイムのバランスを整えます。

考え方

各工程のサイクルタイムがばらついている場合、バランスをを整えます。

使い方

  • 作業改善
  • 作業の移動・分割
  • 人員の再配置

改善前

工程 時間
工程1 50秒
工程2 70秒
工程3 60秒

改善後

工程 時間
工程1 60秒
工程2 60秒
工程3 60秒

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※ラインバランスとは:


工程能力は見える化する

工程能力は、
数値を並べて見える化
することが重要です。

例えば、

  • 山積み表
  • 工程一覧
  • ラインバランス表

などを使います。

すると、どこが遅いかが一目で分かります。

工程能力は数値だけで判断するのではなく、
並べて一目でわかる状態にすることで、さらに意味を持ちます。

見える化の目的

どの工程が一番遅いかを一目で把握する

基本の考え方

各工程のサイクルタイムを並べる。

工程A:50秒
工程B:70秒
工程C:60秒
工程D:45秒

工程の中で、一番長い工程がボトルネックです。


よくある失敗

① 平均だけで判断する

→ 実際はバラつく

② タクトタイムを見ていない

→ OK / NG判断できない

③ ボトルネックを改善しない

→ ラインが流れない

④ 感覚で人員を決める

→ 過不足発生

⑤ 見える化しない

→ 問題が分からない


まとめ

  • 工程能力(サイクルタイム)とは、工程の実力
  • 工程能力とタクトタイムの比較が重要
  • 工程成立の条件は、サイクルタイム ≦ タクトタイム
  • 工程能力は、『分ける → 見つける → 揃える』 の形で、
    ・工程分割
    ・ボトルネック改善
    ・ラインバランス
    に活用
  • 工程能力 = 生産ライン成立を判断する基準
  • 工程能力を正しく理解すると、
    ・生産が間に合う
    ・ボトルネックが分かる
    ・人員配置に根拠が持てる
    ・流れる生産ラインが作れる

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